ピアノ指導歴28年。
これまでに数百名の生徒に指導をしてまいりました、
兵庫県豊岡市の「ようこピアノ教室」向原葉子です♪
今回は、
「ピアノの前身楽器」について、
お伝えしていきます。
まずは「ピアノの歴史 その1」です♪
ピアノが作られたのは、
「イタリアで1700年頃」
という事を、
以前の記事で書きましたが、
何しろ、
300年以上も昔の事ですので、
当時のピアノは、
今のピアノとは全然!違うのですが、
そのピアノが作られる背景にあった、
3つの「前身楽器」があります。
①チェンバロ(Cembalo)(伊)
(ハープシコードとも言います)
これは、
今も演奏される機会がありますし、
皆さんも、名前を聞いた事や、
どこかで「見たことある!」
という方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
デザインや、形、大きさは、
年代によっても色々ですが、
こういうのですね↓
ピアノが、弦をハンマーで叩いて
音を出す仕組みであるのと違い、
チェンバロは、
「プレクトラム」という、
カラスの羽の根元を、
鋭くナナメに切って、軸にした爪で、
「弦をはじいて音を出す」仕組みです。
その為、音量がいつも一定で、
ピアノのように、強弱は付けられません。
当時、
「音楽は教会や、王侯貴族のもの」
でしたから、
刺激のない、たんたんとしたもので、
事足りたんですね。
音楽が、市民階級まで、
楽しめるものになったのは、
ベートーヴェン
(1770-1827)の頃で、
市民革命によって、
富裕な市民層に音楽が広がっていったから・・・
です。
その為に、感情を表現するのに、
音量が必要となり始めたので、
強弱の付けられる楽器が
求められるようになり、
ピアノが発明された・・という事なんです。
実際、
ベートーヴェンの活躍した時代には、
ピアノも一緒に発展していっていまして、
ベートーヴェンの初期の
ピアノソナタには、
曲の流れでいくと、
低音域に下がりたいところなのに、
鍵盤数が無いため、下がれず、
上に音をあげて書いていっている、
作品があるんですが、
後期になると、
ピアノがさらに開発されて、
鍵盤数が増えたため、
初期の作品にはなかった音域で、
曲が書かれています♪
このチェンバロ。
私は大学の楽器博物館で見まして、
直接触って、試弾させて頂きました。
年代物ですし、装飾も多く、
随分華奢な作りですので、
音色がどうとかの前に、
「こんな貴重なものを、壊したらどうしよう・・・!」
という気持ちが強く、
こわごわ、弾きました(笑)
このチェンバロ、
実際に音はとても小さいです。
この楽器で、バロック時代の作曲家である、
スカルラッティやクープラン、
ラモー、バッハ、ヘンデルが作曲し、
演奏していました。
②クラヴィコード(clavichord)
「クラヴィ(鍵盤)」「コード(弦)」
は、張られた弦を、
「タンジェント」という、
金属製の突起で、
突き上げて音を出す
仕組みになっていて、
こちらも、音は小さいです。
この楽器を、
バッハは気に入って愛用しており、
バッハの作品の98パーセントが、
このクラヴィコードで作曲されています。
③ダルシマー(Dulcimer)
この楽器は、ハンガリー生まれで、
見た目は、
「ピアノとは全然違いますよね・・・?」
感じなという、ですが、
小さなピアニッシモ(pp)から、
大きなフォルテッシモ(ff)まで音量の出せる打楽器で、
音を出すしくみ&性能としては、
一番、ピアノと同じとが出来るため、
実は、これこそ、
「ピアノの前身楽器である!」
と言わています。
「マレット」というバチで、
弦を叩いて音を出す仕組みで、
ハンガリーでは、ピアノの前身楽器という事からか、
今でも「チェンバロ」と呼ばれているそうです。
似た楽器に、
「サントゥール」や「ハッフブレッド」
などがあります。
国によって、形状など、多少の差はありますが、
構造は、同じです。
以上、
「ピアノの前身楽器」について、
ピアノの歴史♪「その1」を、
お伝えしました。
ようこピアノ教室HPはこちら♪↓
Comentários