こんばんは。
これまでに数百名の生徒に指導をしてまいりました、
兵庫県豊岡市の「ようこピアノ教室」向原葉子です♪
今回は、「大阪音楽大学 指導者研修レポート」その3
バッハの美しい演奏のコツ♪について、お伝えしていきます。
2日目は、私の楽しみにしていた講座が目白押しでありました♪
「バッハの美しさ、再発見!」
~いろいろな視点からバッハの音楽をとらえてみよう~
講師:松本 昌敏先生
その日のうちに、ベッドに入る事が滅多にない私が、
余りの睡眠不足と疲れの為、夜10時には就寝して、ガッツリ寝ましたので、
この日は、朝からちゃんとシャキッとしておりました。
(まあ、研修なので、シャキッとしてて当たり前ですが・・・)
研修案内に「バッハのインベンションとシンフォニアの楽譜を持参の事。(何版でも可)」
とありましたので、書き込みだらけで、かなり年季の入ったヘンレ版を持参♪
(バッハ シンフォニア(3声)1番より↓ )
最初に先生が、バロック時代の歴史について、お話しして下さいました。
バロックが好きな私は、在学中に音楽史のバロック時代の講義を取っていまして、
非常に熱心に楽しく♪学んでいたはずですが、
いやあ・・・
色々すっかり!忘れていたりして、びっくりです・・・
バロック(baroque)とは・・・
バロコ(いびつな形の意)というポルトガル語が起源で、
飾りをごてごてと付けた建築を批判し、揶揄する言葉なんですね。
ルネサンス時代には、不協和音の使用や装飾音に強い制約があって、
ポリフォニー(横の動きを表現)の技法をもとに、均整と調和の取れた音楽が主流で、
キリスト教が土台にあります。
当時は、「音楽は神のもの」でしたから、
教会の天井が高く作られているのは、
音楽をより高く高く・・・響かせて、神に捧げるためなんです。
その神の世界から、人間の表現へと向かっていって、
「感情(affett)を表現」するようになりました。
さらに、バロックも終わりの頃になると、
ヴィヴァルディやスカルラッティなどが出てきて、
縦の響き(和音)を重視した音楽が生まれてきます♪
さてさて、バッハのインベンション(良い着想の意)ですが、
この本は、息子の音楽の勉強のために書かれました。
当時はピアノはありませんから、
ピアノの前身楽器の基のひとつとなった・・・とされる、
クラヴィコードやチェンバロで演奏するように書かれています。
ピアノみたいに強弱は付けられない事もあり、
(ピアノフォルテ(PF)「弱い音から強い音まで出せる楽器と言う意味です)
もともとのバッハの楽譜には、アーティキュレーションは書かれていません。
それを「現在のピアノでどのように演奏するか・・・」
という事は、色々議論もあるところですが、
大体「こう弾くのが今のスタンダード」みたいなのはありますよね♪
ですので多分皆さん、「ここはこう弾きます」と、レッスンで教わって弾いていたり、
CDなどでいろんな弾き方を聴いて研究したりしていると思うのですが、
やはり、一番最初に聴いた演奏や、自分が習ったことが、
自分の中で基準になるようで、
それとは違ったアーティキュレーションを聴くと、
変な気がしますよね~
先生に言われて、プリントに、皆それぞれのアーティキュレーションを書きこみ・・・
当てられたら、前に出て「自分はこう弾きます」というアーティキュレーションで、
弾いていったのですが、
「へえ~・・・そう弾くんだ~私のと違う~」
「あ~そうそう!やっぱりそう弾くよね♪」
みたいに、新たな発見もあるわけです。
バッハのインベンション・シンフォニアのより良い演奏のためには・・・
①2声3声を「正確に」弾く
うふふ~・・・なんといってもこれが難しい!ですね。
「正確に」各声部を弾き分けるには、そのテクニックが要るわけで、
1音たりともおろそかに出来ない為、「音が抜ける事は厳禁」なんです。
②良い着想(インベンション)を得て展開し、表現する
ここで、アーティキュレーション(イントネーション)をどうするか・・・というところになるわけですね。
どこで区切って弾くのか、つなげて弾くのか・・・
テーマはどこか・・・
他の声部と入り組んでいる箇所もありますから、
たまに、大分弾いてから「あ・・・!こんなとこにもテーマあった・・・」って、
気付く事、多いです。私は。
③カンタービレ(cantabile)の奏法
その場所に求められるにふさわしい、良い音で演奏する。
これは②と密接に結びついていますね♪
④作曲への予備知識
その楽曲を深く理解することに繋がります。
どういう和音進行で進んでいるのか・・・
この日はインベンションの13番を使って、
和音を、ざっくりでも書き込んでいきました。
ポリフォニーだと、「あれ?この音って和音構成音?倚音?」って迷ったりするので、
なんだか本当に「テキトーに」書き、
先生の正解の演奏と楽譜を、
自分のものと見比べ、聴き比べてみますと、
どういう進行になっているのか、とてもよく分かり、
その場所で出したい音のイメージが、よりハッキリ湧きました。
「個々の音を明確に発音する、美意識を持つことが大事」とのこと。
受験前の講座でも、別の先生でしたが、
「指の発音」「明確で美しい発音」ということを、よく言われました。
綺麗で美しい音とはどういう音か・・が聴き分けられる耳があっても、
「その音を出す事の出来るテクニック」がなければどうしようもないので、
やはり情緒面と共に、メカニカルな面も鍛えないとダメですね。
またこのテクニックは、ちょっと練習を怠ると、すぐ落ちてしまいますから、
「日々の練習を、休むことなく継続させる事」が、何より大切だと思います。
以上、「大阪音楽大学 指導者研修レポート」その3~
バッハの美しい演奏のコツ♪について、お伝えいたしました。
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