皆さん、こんばんは。
ピアノ指導歴28年。
これまでに数百名の生徒に指導をしてまいりました、
兵庫県豊岡市の「ようこピアノ教室」向原葉子です♪
今回は、
「バッハ♪インベンションとシンフォニア」
色々な解釈があるのは何故?
について、お伝えします。
・何故、
バッハの音楽に色々な解釈があるのか
①バッハの時代には、現在のような
ピアノはまだなかったので、
バッハが、この曲を書いたのは、
ピアノのためではなく、
クラヴィコードのためだったからです。
その為、
「当時の楽器で演奏したような
感じになるよう、弾きべきだ」
という考えや、
(なので、基本ノンレガート
(レガートでなくの意)で演奏しますね)
「いや、今のピアノで演奏するのだから、
現代のピアノで、弾くのであれば、
そうは弾かない!」
という考えが、あったりするので、
色々な解釈が
生まれている訳なんです。
②クラヴィコードは、
今のピアノのように、
強弱が付けられなかった為、
バッハの原本には、強弱記号や、
アーティキュレーション
(スラーやスタッカート)などが、
ほとんどついていないんです。
ですので、
フレーズ、ニュアンス、アクセント、
テンポなど、
曲を解釈する事に、
「いろんな意見」が存在します。
さらに、装飾音符についても、
バッハの原典原稿には2種類あり、
そこで、装飾音符が異なっている為、
その点でも物議が生じています。
・バッハ
「インベンションとシンフォニア」
とは
言わずと知れた「大バッハ」
J.S.バッハ
(ヨハン・セバスチャン・バッハ)の
クラヴィ―アのための曲集で、
2声の「インベンション」15曲と、
3声の「シンフォニア」15曲からなる、
対位法で書かれた、
30曲全て、2ページの小曲集です。
「クラヴィ―ア」とは、
鍵盤楽器の事を指しますが、
当時は
ピアノはまだなかったので、
クラヴィコードという楽器で
演奏するために、作曲されています。
バッハが溺愛したと言われている、
長男のW.Fバッハ
(ウィルヘルム・フリーデマン・バッハ)
の、
音楽教育のために作曲し、
作られた曲集、
「フリーデマンの為のクラヴィ―ア曲集」に
含まれていたものです。
これは、単なる指の練習曲ではなく、
「音楽的な趣味」
そのものの育成を目指す
という意味での「教育」のようで、
「曲が短い」事を除けば、
各曲ともかなり難しく、
内容も充実していて、
バッハの代表的な作品の1つに、
数えられます。
そのため、現代の、
「ピアノ学習者のための教材として、
必須」と言われるほど、
重要な曲集です。
ゆえに、
音高、音大のピアノ科出身者は、
皆、この曲集はかなりきちんと、
必ず!やっています。
(やらされてる・・・?(笑))
また、作曲の面でも、
優れた教育作品として
評価されています。
・「インベンション」とは?
「インヴェンション」=
「発明・思い付き」
当時、一般的には、
このような楽曲にも、
「前奏曲」と名付けるのが
普通だったところ、
バッハは、
何故かそれをしていないのですが、
恐らくそれは、
この作品の性格を、
そのように呼ぶには
適していない・・・と、
考えたからだろう・・・
と言われています。
ちなみに、
「インベンション」という名前は、
バッハの発想ではなく、
当時のある作曲家、
「ボンポルティ」
(1672~1749)
だと言われています。
・表題について
現在、
ベルリン国立図書館に
保管されている、
バッハの手による、浄書譜は、
次のような表題ではじまります。
「率直な手引き」
【クラヴィ―アの愛好者、特に
学習熱心な者が、
⑴2つの声部をはっきりと
弾けるようにするだけでなく、
上達した時には
⑵3つのオブリガード声部を
正しく、満足のいくように処理
することが出来るように。
また、同時に優れた
インベンション(楽想)を
取得するにとどまらず、
それを上手く
発展させられるように。
そしてとりわけ、
演奏時にあたっては、
よく歌う奏法を身に付け、
作曲を学ぶための基礎を
養うように。】
したがって、
「インベンション」は、
たんに、
演奏技術を高める練習曲ではなく、
音楽の基本的な論理を考える
作曲の手引きでもあります。
作曲技法の上では、
1つの主題だけで
曲全体を展開するのが
大きな特徴です。
・フリーデマンについて(余談)
長男フリーデマンは、
手厚いバッハの音楽教育を受けましたが、
どうも教育パパ過ぎて
プレッシャーがあったのか、
エマニュエル(次男)や
クリスチャン(末息子)のような、
立派な音楽家としては成功せず、
晩年は飲んだくれて堕落し、
亡くなっています。
以上、
「バッハ♪インベンションとシンフォニア」
色々な解釈があるのは何故?
について、お伝えしました。
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