ピアノ指導歴28年。
これまでに数百名の生徒に指導をしてまいりました、
兵庫県豊岡市の「ようこピアノ教室」向原葉子です♪
今回は、
「ピアノと湿度のお話し」
ピアノにとって良い湿度とは?
について、お伝えします。
皆さんは、ピアノにとって、
どれくらいの湿度が良いか
ご存知でしょうか?
そもそも、
「ピアノにとって、
良い湿度なんてものがあったのか・・・?」
と、思う方も、
いらっしゃるかと思います。
それが、あるんです!
というより、
「とても大切」
なんです。
・ピアノに最適な湿度
およそ、
40パーセント台後半から
50パーセント前半
が、望ましいです。
当教室のレッスン室の湿度↓
47パーセントを指しています。
良い状態ですね♪
人間にとっては、
少し乾燥気味な状態が、
ピアノにとっては、ベストです。
・何故、ピアノにとって
湿度が低めの方がよいのか?
それはピアノが、
水に弱い素材で
出来ているから
です。
ピアノは、水に弱い、
「木材」で出来ている部分が
大半で、
弦を打つハンマーは、
「木材」と、
水を吸うとふくらんでしまう
「羊毛」で出来ています。
フレームや弦なども、
水に弱い「金属」で出来ており、
湿度が高いと、
弦がサビやすくなります。
・ピアノの木で出来ている部分
①鍵盤
②ピアノの心臓部の響板
③ハンマーシャンク
(この「木の部分です」↓)
③ピアノの枠、屋根、蓋、脚など
と、ほとんどが「木」なんです。
(*このピアノに使われている
木材については、また詳しく、
記事に書きたい思います。)
・金属フレームと弦
*金属フレーム
このフレームが金属製
(ピアノ全体に鉄骨をめぐらせる)
になった事により、
弦の全張力を支える事が
出来るようになったので、
ピアノが急速に進化し、今の、
音色も音量も豊かなピアノへと
発展していったので、
この金属製のフレームは、
ピアノの近代化を語るうえで
外せない代物です♪
*「弦」ミュージックワイヤー
ピアノの弦には、
「鋼」が使われていまして、
この「鋼」を使う事で、
弦を張る力が増します。
ここまで、読まれた方で、
本や映画が好きな方は、
「ピン!」と来た方も
いらっしゃるのではないでしょうか・・??
はい♪
「羊と鋼の森」
本屋大賞も受賞した、この作品。
ピアノ調律師さんのお話しで、
山崎賢人さんが主演で、
新米の調律師さん役を、
ピアノの上手な双子の姉妹役を
上白石萌音さんと、
上白石萌歌さんが演じて
話題になりましたね。
私も、読みましたし、観ました♪
劇中のピアノ演奏は、
辻井伸行さんや及川浩治さん、
ショパンコンクール入賞者の
山本貴志さんなどが
担当していらっしゃいますが、
辻井伸行さんの演奏の、
ラヴェルの「水の戯れ」や、
ドビュッシーの「月の光」が、
もう、本当に美しいです・・・!
そう!
「羊」とは、ピアノのハンマーの事
「鋼」とは、ピアノの弦の事
「森」とは、ピアノ大部分を占める、
枠や響板、大屋根、蓋、脚の事
つまり、この作品名の
「羊と鋼の森」とは、
「ピアノ」の事を表しているんです!
こういう、作品名と、
作品中の核となる題材が一致して、
「あ~!そういう事かあ・・・!!」
と、わかる瞬間が、とても好きです♪
話が逸れました・・・(笑)
という事で、
ピアノは湿気、水分に弱いわけです。
・湿度が高いとどうなる?
室内の湿度が上がってくると、
音がてきめんに籠ってきます。
鍵盤が上がったまま、
戻らない部分が出てきたり、
弦にも、ほこりが積もりやすくなり、
さらに、そのほこりが水分を含み、
弦が錆びます。
この状態がひどくなると、
音は出なくなってしまいます。
ピアノを壊すには、
大きな重機を持って来て
叩き潰す・・・などという、
手間のかかる事をしなくても、
コップ一杯のお水を、
ピアノを上から、
「ジャ~・・・」とこぼせば、
これで簡単に壊れます。
ですので、皆さん!
決してピアノの上に
水の入った花瓶を置いたり、
飲み物を置いてはダメですよ!
くれぐれも、
気を付けて下さいね!
・ピアノの部屋には除湿器は必需品
日本の夏は、
やはり湿度が高いので、
除湿器を回さないでいると、
あっという間に
湿度があがってしまいます。
元々、ピアノは、
乾燥した気候の西洋生まれですから
湿気の多い、
日本の気候には適していないんですね。
特に今、のご時世で、
換気が必須ですから、
外気を取り入れての
換気をすると、
除湿器を「強」で回していても、
すぐ60パーセント近くに
なってしまいます。
(空気清浄機つき除湿器
Panasonicなので、ナノイーです↓)
方法としては、
エアコンの冷房の温度を
ぐっと下げて、
除湿器を同時に回すと、
湿度を低めに保つこと出来ます。
そうすると、
音が乾燥した空気中で
「キーン」と澄んで聴こえてきます。
ですので、
夏場の当教室は温度低めです。
子供は平気みたいですが、
テンションが高くない時、
私は寒いので、
(指導に熱が入っているときは暑い)
(小さい子供のレッスンの時も暑い)
脱ぎ着出来るよう、
長袖を常備してます。
小さいお子様に付き添いの、
保護者の方や、寒がりなお子様は、
いつでも羽織れるよう、
長袖をご用意くださいね♪
人体には、
もう少し湿度があった方がよいので、
(コロナにも湿度がある方が良いという)
生徒の座る、
ピアノの椅子の真後ろに、
空気清浄機つき加湿器↓
除湿しながら加湿する・・・という、
大変不経済な事を・・(笑)
こちらの加湿器、
師匠に教えて頂いたのですが、
ドイツ製の界面活性剤の入った
「お水で空気を洗う」
タイプのもので、
作りがシンプル♪
フォルターが無いので、
お手入れがラクです。
ピアノにとっても、
人体にとっても、良い状態を保つには、
いろいろ工夫が必要ですが、
ピアノの内部に置くタイプの
乾燥剤などもありますので、
調律師さんに、
お尋ねになってみて下さい。
以上、
「ピアノと湿度のお話し」
ピアノにとって良い湿度とは?
について、お伝えしました。
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