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「ツェルニーやハノンってやらないと駄目ですか?」ハノン編 その1

更新日:2021年6月25日


ピアノ指導歴28年。

これまでに数百名の生徒に指導をしてまいりました、

兵庫県豊岡市の「ようこピアノ教室」向原葉子です♪

今回は、

「ツェルニーやハノンってやらないと駄目ですか?」

ハノン編 その1

について、お伝えします。



この質問、

実に、よく聞きます。



色々と

ピアノ学習や、趣味で演奏されている方の

悩み事などを検索したりもするのですが、



本当に、よく出てきます。



「どんな先生がよいですか?」

「どんな先生が良い先生だと思いますか?」



の問いに、



「ツェルニーやハノンを

弾かせない先生がいいです」



という答えを見た時には、

思わず苦笑してしまいました・・・



意地悪で、

弾かせているんじゃないんですよ~・・・(笑)



「必要だから」



ピアノレッスンを辞めても、

自力で曲を弾けるように

なってもらう

には必須だからです。




この質問、

「生徒さんから」は、

そんなにはないのですが、



いや・・

思っていても、言えない・・

聞けない・・・

という方が

多いのかもしれません。




残念ですが、


「やらないと駄目です」


あ~・・・



やっぱり、そうですかあ・・・

そうですよねえ~・・・



という、

声が聞こえてきそうですが・・・(笑)



あえて、

耳の痛いこの事を、

ちゃんと」お伝えします!



お母様方で、ピアノ経験者の方は、

私が講師になりたてのころより

ずっとずっと・・・

増えました。



その分

「ツェルニーが嫌いだったんですよねえ・・・」

とか、

「ハノン・・・嫌いで・・・」

という、



いわゆるテクニック本を弾く事に

拒否反応を示して、

子供の頃、ピアノを辞めてしまった・・・



というお話しも、

よく耳にします。



そのあとに続く言葉として、

本当は、



「先生、

ツェルニーやハノンって

やらないと駄目ですか?

が、あると思うんですが、



「当然です!何を言ってるんですか!(怒)」

と言われそうで聞けない・・・

のだと、思うんですね。

(怒らないから、大丈夫ですよ~(笑))




・テクニック本を

やらないといけない理由


①テクニック本を使うと、

動かしづらい指を

効率的に良く動くように

出来る


②曲のほとんどは

スケールとアルペジオの

アレンジで出来ている



・ハノンピアノ教本


この教本については、

①に特化しています。



同じ音型を、一音ずつ上げながら、

ただただ繰りかえす・・という、

「非常に退屈で地味な教本」



音楽的な美しさとかは、皆無です(苦笑)



ゆえに、

この教本に嫌悪感を示す生徒は

多い・・・



ですが・・・!



実は、この教本は、

指を強化するには、本当に良い教本で、



動かしづらい指を、

短期間に効率的に動くようにする」には、

かなり適した教本

なんです。



ハノン1番↓

指は、

右手、左手ともに、

「3(お兄さん指)、4薬指)、

5(小指)」



が、動かしづらい指です。



その中でも、4と5の指は、

筋がくっついているので、

特に動かしづらく、



指の両側に別の指がある、

「4の指」は一番動きが悪い指です。



余談ですが、

ロベルト・シューマンは、

この「弱い4の指」を鍛えるために、



指のトレーニング機器を開発し、

それを使いすぎて、指を痛め



それまでのように、

ピアノを弾けなくなってしまい、



演奏から遠ざかって、

作曲に力を入れたので、

現在、たくさんの楽曲が残されている・・

と言われています。



ピア二ストとして、

演奏が出来なくなってしまい、



シューマンにとっては、

かなり辛かったと思いますが、



そのおかげで、私たちが、今、

彼の遺した素晴らしい楽曲を

演奏する事が出来ているんですね。



シューマンは、

指を痛めて弾けなくなってから

作った曲が多いため、



自身が弾いて確認する事が

出来なくなっていた為、

非常に弾きづらい曲が多いです。



「5の指」も、細く小さいので、

年齢の小さい子供のうちは、



骨も筋肉も弱いので、

一番小さい「5の指」が

動かしにくい傾向にありますが、



指の片側には、他の指のない、

手の端にあるため、



指が強くなってくると、

4の指よりは動かしやすいです。



特に、5の指は、左右ともに、

メロディラインや、バスを出すために

より強い音を出す必要、

コントロールを利かせる必要があるので、



5の指の強化は、

とても大切になります。



ハノン30番↓

こちらはもう、

「5、4の指」をこれでもか!

と強化するように出来ています。



さらにこれらを、

しっかり音の粒を揃えて弾くために、



付点、逆付点(13,14番)

のリズムや、

三連符のリズム(9,10番)

など、

リズムを変えて練習します。



また、「ハノン1」の楽譜の上部に

全長調移調練習

の文字があったと思うのですが、



これは、母校の大阪音楽大学編纂の

「スケールとアルペジオ」の最後に載っている

ハノンを使った指練習で、



それぞれを、12の長調全調に

移調して弾く練習です。



これは、スケールとアルペジオ

(音階と分散和音)が

全部終わらないと出来ないのですが、



フラットや、シャープの

多い調で弾くと、大変弾きにくく



そのため、

練習時間があまり取れない時に、

指がなまらないようにするのに、

とても効果的で、



私も、ハノンの1番から30番までの

どれか1つを全調に移調して弾く・・・という

基礎練習を、毎日やっています。



長調、短調すべての調の、

スケールとアルペジオ(24個)も、

毎日弾いていますが、



この練習とセットで行うと、

良い指の状態を保つことが出来ます。



あの桐朋学園大学(国内の私立音大の最高峰)

の入学後の試験にも、



このハノンを全調に移調して弾く

試験があるとの事で、

(師匠の母校が桐朋なのでお聞きしました)



大阪音大も、桐朋学園も推奨している練習であり、

専門の大学に進んでもなお、

必要とされ、使用されている教本ですので、



「ピアノが上手くなりたければ」


「レッスンを辞めても自力で

弾けるようになりたければ」



「退屈だ・・・」と言わずに、

頑張って練習しましょう♪



次回は、「ハノン編 その2」について、

お伝えしますね。



以上、

「ツェルニーやハノンって

やらないと駄目ですか?」

ハノン編 その1

について、お伝えしました。



前に記事にもどる (ピアノと湿度のお話し)


次の記事へ(「ツェルニーやハノンって

やらないと駄目ですか?」

ハノン編 その2)



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